デンマーク ・ ヘルシンガーからの便り 　62

デンマークのCOVID-19　その4

2020年は数日で終わります。　今年はコロナウイルス感染の世界的な拡大で社会、経済、そして私達の日常生活が一変した大変な年でした。
でも、新しいニュースがあります。　人々が待ち望んでいたコロナウイルスのワクチン接種ができました。　デンマークでは12月27日9時より、EUより割り当てられたPfizer社の1万個のワクチンが最初に全国の感染者数が多い7つ自治体にある特養ホームの入居者とそこで働く介護従事者、病院のコロナ病棟で働いている医師、看護師に接種されました。　接種を受けた看護師は、感染に気を使いながら家族のことも心配して仕事をしてきたが、これで気分が楽になったと話していました。　ワクチンは3週間の期間を置いて2回接種しなければなりませんので、最初に接種を受けた人は5000人です。　この先接種を受ける対象者は特養ホームの入居者、高齢者、医療介護従事者、慢性疾病を持っているが優先されます。　一般の人は春以降になるでしょうか。　すでに保健庁から18歳以上の国民に、ワクチン接種の概要について電子メールの文書が届きました。　デジタル化が進んだデンマークでは、省庁、自治体、警察、病院、年金、税務等の公的機関からの連絡は電子メールで来ます。　文書に高齢者は年齢の高い順に接種の案内が電子メールで行くということや、接種の効果がどれくらい続くのかまだ分からないことが記述してあります。

ヨーロッパの国が秋から感染者が倍増したように、デンマークでも10月中旬の秋休み後から徐々に感染者が増加しました。　12月に入ると一日の感染者は2000人を越えましたので、12月9日から再度春に行ったようなロックダウンになりました。　3月からこれまでの感染者は約13万人、死亡者は約1200人です。　コロナの感染状況はコントロールされています。　デンマークの人口は550万と北海道ほどの人口ですから、感染率は高いです。
今回も小学校の6年生以上から大学までオンライン授業。　会社はテレワーク。　図書館、美術館、映画館、スポーツ施設、デパート、ショッピングセンター、劇場など人が集まる場所は閉鎖。　レストランとカフェはテイクアウトのみ。　10人以上集会禁止です。　レストランが閉鎖ですから日本の忘年会のような会社や友人たちのクリスマスの食事会はできなくなりました。　12月25日から1月3日まで年末年始はスーパー、食料品店、薬局以外の小売店は閉店です。
クリスマス前は一日の感染者が約5000人に増加しましたが、規制措置の効果が少し表れて、現在（12月27日）の感染者は3000人を切っています。　検査はPCR検査と抗原検査が2つ行われています。　鼻に綿棒を入れて検査する抗原検査（韓国製とか）は民間の協力で行われていています。　15分で結果が出るので、コペンハーゲンのスタジアムに24時間検査ができる場所が作られました。　予約なし、待ち時間なし、無料で検査が可能です。　12月25日に全国に7か所ある場所で20785人が抗原検査をして、729人が陽性でした。
PCR検査は一日約13万件の検査があります。　訪問看護師の知人は仕事柄これまで職場で７回検査を受けました。　コロナ検査のサイトはアクセスが多く繋がりにくいです。　上手くサイトに入れても、会場は予約満員で数日待たなければなりませんでした。 ヘルシンガーは一時感染者が増加したので、12月上旬に6日間限定で、体育館で予約なしでPCR検査をしました。　便利な機会でしたので、私も検査を受けました。　結果は幸い陰性でした。

12月9日に早々とチボリ公園やデパートが閉店したので、イルミネーションで飾られた街中はいつものようなクリスマスの買い物客はありませんでした。　代わりにネットで買い物をした人が多かったです。　12月24日のクリスマスの晩餐を少人数で迎えた人が多いです。　私と主人はいつもコペンハーゲンで主人の家族たちと祝っていますが、今回は特別に家で静かに過ごしました。　12月から続いているロックダウンは1月3日で終了します。　年明けに感染者が予測より減らなければ部分的なロックダウンは継続すると思われます。

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写真は全て小野寺綾子氏撮影
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