■ -「目次」に戻ります - ■

デンマーク ・ ヘルシンガーからの便り  47

「松の木の伐採とローマハウスの価格」

2017/1/5小野寺綾子 / ヘルシンガー

10月の初めにあった秋の共同作業で、家の周りにあった7本の松の木を切りました。
伐採の決断は、主人が年に数回屋根に上り、瓦に落ちる松の葉の掃除をするのが面倒になったことや、隣の家(21番)が、高い松が自分の庭や居間に入る日光を遮断して邪魔だ、と言うことが原因です。 屋根の松の葉の量は、大きなゴミ袋2−3個分になります。 屋根の松の葉を掃除しないと、大雨が降ったとき、雨どいがすぐにあふれます。 たまに台風並の大風が吹くと、松の枝が、瓦や壁の上に装飾として置かれている瓦に触って痛めます。

ちょうど木を切った土曜日は、私は朝から仕事で不在でした。 夕方帰宅したら、早朝そびえていた木が倒されていて、長い間見慣れた風景が消えてしまいました。 植えて50年の松の木が無くなり、あたりは、無残にも倒された木のかぐわしい香りが漂っていました。 その代わり、切り株の脇には、松の若木が植えられました。 この木も50年後には、大きくなりすぎ、切られる運命です。 反対隣の家(17番)は、薪ストーブを持っているので、切られた木はさっそく薪用に細かく切られてしまいました。
冬季、居間に入る日の光は、まぶしく、カーテンで遮断しなければならないくらい、強いです。 松があった頃は、そのような事はほとんどなかったのです。

秋の共同作業は、いつも月の初めの週ですが、今年は、一週間遅れて行われました。 初めの週だったら、SADIの会員も参加したデンマーク研修の人たちが、ローマハウスを訪れた日にあたり、住民の作業ぶりが観察できたのにと、残念に思いました。

10月に2件のローマハウスの家が売りに出されました。 価格は230万クローナ(約日本円で3600万円)と370万クローナ (日本円で、約5700万円)です。 高い家は広告がでてから、すぐ売れてしまいました。 高い家が最初に売れ、安い方が残った理由は、価格が安い家は、買ってから修理に非常にお金が掛かる事です。
ローマハウスの家は、平均して約300万クローナ(約4500万円)前後で売買されています。
価格の安い家は、私が住む同じ道にある11番です。 家の大きさは、96u。所有者は70代後半の女性です。 Bさんはこの家に50年以上住んでいます。 Bさんは、少し変わった人で、日中でも台所、居間のカーテンを全部引いて、共有地から家の中が見えないように暮らしています。 庭から見える家は白いカーテンしか見えず、まるで空き屋のようです。 場所的にも、道の一番奥まった角にある、少し条件の悪い所にあります。 1959年に建てられたこの家は、所有者が変わっていないので、Realdaniaが買ったヤコブさんの家のように、居間や台所、洗面所など建てられた当時の形を残しています。 オリジナル性にこだわる人にとっては、安い買い物かもしれません。
しかし、経済的、快適に住む場合、居間にある大きい窓は、普通のガラスを2枚合わせただけなので、暖房の熱効率が悪いです。 建物は、国の文化保存指定ですから、新しいペアガラスに交換できません。 その代わり熱が逃げないように、床下や壁などに断熱材を入れる必要があります。 摩滅したコルクの床の張り替え、新しい床暖房装置も必要になるでしょう。 洗面所や台所も修理が必要でしょう。 ドアの鍵も旧式で、泥棒にすぐ開けられそうな大きな鍵穴です。 外の窓枠の塗料はかなりはげていますし、庭は手入れがされていないので、家の景観を台無しにしています。 Bさんは、この家が売れたら、ヘルシンガー市内のアパートに移りたい希望です。 肥満からくる体の重さで、膝の手術もしていますから、高齢者向けのバリアフリーの低層アパート(賃貸)が良いかもしれません。

一方、高い家は、全国紙に写真入りで掲載されました。
広告に使われた写真は、光あふれる居間にある家具や絨毯、池に面した家の写真など、興味を引きつける内容でした。 この家は価格から判断すると、修理をする必要がなく、すぐ入居できるでしょう。 Bさんの家は、売れるのに時間が掛ると思います。 取引額は、恐らく表示価格より、下回るでしょう。
59件(その内一件は、不動産投資会社Realdaniaの所有)あるローマハウスの家でも、家が広い敷地の中でどこに建っているのか、購入後に床、屋根、家の中などどれくらい修理をする必要があるのかなどで、非常に価格が変わります。 つねに家のメンテナンスをしておけば、売却の時に、好都合になることが多いです。

現在不動産会社のウェッブサイトに掲載されているBさんの家の外、中が見られます。
さすがに、写真撮影の時は、居間などのカーテンは開けられています。売れるまで暫くネットで見ることができます。
http://danbolig.dk/bolig/helsingoer/3000/raekkehus/097-9682-cl-097

2017年1月にもう一件売りに出されました。 下記のサイトをクリックすると、部屋の中が見られます。
https://home.dk/boligkatalog/helsingoer/3000/huse-villaer/hauchsvej_6_138-01912.aspx

写真は全て小野寺綾子氏撮影
全ての内容について無断転載、改変を禁じます。

enlargeenlarge  写真はクリックすると拡大します。

伐採前の隣の家の間にある6本の松の木

■ 伐採前の隣の家の間にある6本の松の木

■ 伐採前の隣の家の間にある6本の松の木

切り倒された松は、家より高くそびえていた

■ 切り倒された松は、家より高くそびえていた

■ 切り倒された松は、家より高くそびえていた

倒された松の木

■ 倒された松の木

■ 倒された松の木

倒された松が転がっている

■ 倒された松が転がっている。

■ 倒された松が転がっている。

すっかり松がなくなり、すっきりした今の様子。
代わりに小さい松が植えられた。

■ すっかり松がなくなり、すっきりした今の様子。代わりに小さい松が植えられた。

■ すっかり松がなくなり、すっきりした今の様子。代わりに小さい松が植えられた。

17番の家の前につまれた薪の山。一年後には、ストーブに燃やされる。

■ 17番の家の前につまれた薪の山。一年後には、ストーブに燃やされる。

■ 17番の家の前につまれた薪の山。一年後には、ストーブに燃やされる。

日中も居間や部屋のカーテンをひいて暮らしているBさんの家。

■ 日中も居間や部屋のカーテンをひいて暮らしているBさんの家。

■ 日中も居間や部屋のカーテンをひいて暮らしているBさんの家。

PAGE TOP

Copyright © 2006-2017  The Scandinavian Architecture and Design Institute of Japan  All rights reserved.