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デンマーク ・ ヘルシンガーからの便り  39

「さらに続く空き巣被害: 自分の家は自分で守る」

2014/3/24小野寺綾子 / ヘルシンガー

デンマーク人は自分の家を防犯する意識が低く、EU内で空き巣に入られる被害が非常に高い国です。 統計では、年間の被害は43000件で、12分に一軒の割で空き巣被害があるそうです。 最近のニュースで政府は、国民が、空き巣防止のためにこれから新しく建てられる住宅の窓やドアなどに掛った経費を、税金から控除をしてはどうかと検討し始めていると、伝えています。

2013年は、秋に入ってもローマハウスで空き巣被害が続きました。 11月のある金曜日11時から13時半ごろにかけて私が住んでいる同じ道路沿いにある13番(私の家は19番で、奇数番号の家が、11番から27番まで8件並んでいる)で、空き巣が入りました。
犯人は、台所の格子戸をはずして、石で台所の窓を破り、格子戸を梯子のように使って中に入ったそうです。 私が住んでいるあたりは、行き止まりになっているので、人通りが少なく、隣の敷地は林です。 誰も目撃者がいませんでした。
私は空き巣が入った時間帯に、家にいましたが、窓はしっかり閉まって密封性が高いので、外の物音が聞こえませんでした。 隣の11番の人は、石が窓を割る音は全然聞こえなかったと言っていました。

13番の家は、過去に2回庭から低い塀を乗り越えられて、泥棒に入られています。 今回は、貴金属などを盗まれたそうです。 格子戸を梯子の代わりに使う手口は、初めて聞いたので驚きました。 以前11番の家も、空き巣がトイレの格子戸を外し、高い窓から入ろうとしましたが、未遂に終わっています。

12月に25番の人が、自分の家の近くを歩く男性を見て、不審に思い跡を付けたところ、走り出して逃げたので、携帯電話で写真を取った姿を見せてくれました。 頭から冬用の帽子を被り、アノラックにジーンズ姿でした。 少しピンボケだったので、顔がデンマーク人なのか、外国人なのか分かりませんでした。

年末には、ローマハウスで2軒の空き巣がありました。
年明け後、1月7日に27番の家に泥棒がはいりました。 この家は、私の台所の窓から良く見える家です。 不幸にもこの一年で御夫婦が相次いで亡くなっていて、現在誰も住んでいません。 犯人は低い壁をまたぎ、増築部の寝室の窓を石で割って入りました。 金目のものは置いてなかったのですが、部屋の引き出しを荒らして物色し、テレビを盗んだそうです。 同じ日に27番の家と道を隔てた真向かい家でも空き巣に入られ、貴金属のほか、子供の貯金箱が盗れました。 恐らく、犯人は、13番に入った同じ空き巣でしょう。 その後13番と27番の家は、防犯アラーム装置を付けました。

この3年間で、私が住む道路の8軒の内、空き巣被害が3件、未遂が3件ありました。 空き巣に入られていないのは、私の家と向かいの15番の家だけです。 15番の家は、何時も家の前に子供の自転車が何台か置いてあり、庭によく洗濯物を干しているので人がいる気配を感じさせます。 空き巣に入る人は、良く住宅を観察しているはずです。

ローマハウスの自治会長が夜に家の車庫の前に置いた車のトランクを開けられて、ご主人のゴルフ用具など盗まれました。 この家は、交通がある公道に面して、前に泥棒に入られています。
続く空き巣の被害に、住民からビデオカメラを設置する意見が出されました。

1月28日にローマハウスの住民50人ほどが警察署に集まり、防犯について話を聞きました。 この会合の数日前、一人の警察官がローマハウスの様子をみるため、敷地を歩いて住宅の様子を偵察していた時、たまたま庭にいた主人と話しをしました。
主人は警察官を家に招き入れて、トイレ、台所、寝室などの窓枠に付けた小さい防犯用の金具を見せたところ、警察官が会合の資料に使いたいので写真を取っていきました。 我が家の防犯はしっかりしていると、お墨付きをもらいました。 ローマハウスは国の文化財です。 文化保護委員会は、恐らく家の窓枠に付けた金具を見たら、建築規定に反していると言うかもしれません。 それより被害が続く中、安心して住めることが先決です。

警察官は、ローマハウスの窓は大きく、簡単に外側に開くので、犯人が侵入しやすいと言っていました。 ドアのカギについても、大きい鍵穴に鍵を差し込む旧式のものより、ドアの両側から別々に開ける方法が、安全とのことです。

私と主人は用事があって、警察署での集会には出席できませんでしたが、後日出席した住民から話しを聞きました。 泥棒の入る時刻は、午後から夜で、よく盗まれた物は、現金、貴金属、銀製品、パソコンです。 予防として、防犯アラームや私の家に取り付けているような窓枠の金具が有効なことが紹介されました。 大事なことは、貴重品は必ず写真を取っておくこと。 パソコンはシリアル番号を控えておくこと。 不審な人を見たら、写真をとって、警察に通報することなどです。

パソコンが盗まれているので、防犯についての情報は、犯人がローマハウスの防犯についてメールで知る可能性があるので、文書で連絡をすることです。 1月28日の集会の件もメールではなく、文書で配布されました。
1月28日に集会を受けて、住民有志11人が防犯委員会を作りました。 手始めに60件の家にアンケートを配り、家のどこから侵入したかなど、個々の被害状況や手口について詳しい内容を集め、どのように防犯している(していない)など状況を把握することになりました。 詳しい内容が集計されれば、家のどこが弱点なのか分析できるでしょう。 やはり自分の家は、自分で守るしかありません。

写真は全て小野寺綾子氏撮影
全ての内容について無断転載、改変を禁じます。

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13番の家は、台所の格子戸をはずし、窓を石で割って、格子戸を梯子の代わりにして中に侵入された。

■ 13番の家は、台所の格子戸をはずし、窓を石で割って、格子戸を梯子の代わりにして中に侵入された。

■ 13番の家は、台所の格子戸をはずし、窓を石で割って、格子戸を梯子の代わりにして中に侵入された。

奥の家は、13番、手前の家は15番。15番の家の前には、何時も自転車が置いてあり、人がいる気配がある。

■ 奥の家は、13番、手前の家は15番。15番の家の前には、何時も自転車が置いてあり、人がいる気配がある。

■ 奥の家は、13番、手前の家は15番。15番の家の前には、何時も自転車が置いてあり、人がいる気配がある。

家の窓枠に取り付けた金具。開いている時。

■ 家の窓枠に取り付けた金具。開いている時。

■ 家の窓枠に取り付けた金具。開いている時。

窓枠の金具を閉めた時。

■ 窓枠の金具を閉めた時。

■ 窓枠の金具を閉めた時。

13番の家では、その後アラームを付けた。

■ 13番の家では、その後アラームを付けた。

■ 13番の家では、その後アラームを付けた。

ドアの錠は、防犯のため両側から開ける仕組み。

■ ドアの錠は、防犯のため両側から開ける仕組み。

■ ドアの錠は、防犯のため両側から開ける仕組み。

古い型の錠は、鍵穴が大きく中の様子が外から分かり、簡単に開けられてしまう。

■ 古い型の錠は、鍵穴が大きく中の様子が外から分かり、簡単に開けられてしまう

■ 古い型の錠は、鍵穴が大きく中の様子が外から分かり、簡単に開けられてしまう

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