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デンマーク ・ ヘルシンガーからの便り  2

「ローマハウス 春の作業」

2007/05/18小野寺綾子 / ヘルシンガー

家の周りに、たくさんのサンザシの木があります。 今白い花が満開なので独特の香りがします。
毎年春と秋の2回、住民が共同緑地の木を伐採したり、壊れた垣根を直したりする共同作業日があります。 今年は4月28、29日に二日間あり、とても良い天気に恵まれました。
自治会組織に緑化部があり、そこが共同緑地の管理責任を負っています。

ランドスケープ建築家を顧問に呼び、どのような種類の木を植えて、どのような景観を作っていくべきか相談しています。 個人が許可なしに、共同緑地にある木を勝手に切られません。 家の周りにある木は、40年以上前に建物が建設された後に植えた木です。
今ではすっかり大きくなり、木によっては大きくなりすぎた種類の木もあります。 たとえば、共同緑地の木が家の瓦を傷めるとか、日照の邪魔をするので切って欲しい場合、一応隣近所に相談します。 そして、緑化部に切って欲しい希望を出します。 伐採の希望をだしても景観を損ねる木であれば、緑化部は要望を却下する時もあります。
共同作業日の1週間前に、どこの木を切ったりする予定なのか、作業地図が配布されます。
私の家の周りにも、松の木、マロニエの木、樫の木がありましたが、建物の土台を痛めることや近所から日照の邪魔になるので切りました。
古い木を切った後には、若木を植えるようにしています。
今回は、木の伐採や剪定はもちろんのこと、木製の階段が古くなり、雨が降った時滑って危ないので、石の階段に作りなおしました。

毎回15戸が昼食の用意をします。 60戸ありますので、2年に一回その準備当番が回ってきます。
広場に椅子、ベンチやテーブルを集めます。 昼食は黒パン、鰊の酢漬け、サラダ類、肉、ハム、チーズなどを大きな皿に並べておきます。
それを各自が好きなほど取って、オープンサンドイッチに食べる方法です。
普段近所の人としか挨拶する機会がありませんので、この昼食会は、普段会わない他の通りに住む人、新しくきっ越してきた人と話をする場所です。

夏至前に、広い共同緑地の草を刈る仕事があります。 草は5月にあっという間に腰ぐらいまでの高さに伸びてしまいます。 草刈作業は、専門業者にまかせます。

夏至祭の別の名前をサン・ハンスアフテン(Skt.Hansaften キリストの弟子、聖ヨハネの夕べ)と言います。 今年は6月23日です。
共同緑地に共同作業で切った木で焚き火の山を作ります。 焚き火の上に魔女の人形をのせ、午後9時過ぎに点火します。
魔女の人形は、中世の魔女狩りの名残です。夏至にドイツのブロック山に魔女が集まる言い伝えがあるからです。
勢いよく燃える焚き火を見ながら、夏至祭の歌を歌います。 夜、全国の海辺や野原で焚き火を燃やす夏至祭の行事が行なわれます。
本来はもっとあたりが暗くなってから焚き火に点火しますが、小さい子供の就寝時間を考慮して、ローマハウスの夏至祭は早い時間にします。
夏至祭の後、学校、会社は夏休みシーズンに入ります。

写真は全て小野寺綾子氏撮影
全ての内容について無断転載、改変を禁じます。

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昼食での雑談風景 1

■ 昼食での雑談風景 1

■ 昼食での雑談風景 1

昼食での雑談風景 2

■ 昼食での雑談風景 2

■ 昼食での雑談風景 2

昼食での雑談風景 3

■ 昼食での雑談風景 3

■ 昼食での雑談風景 3

並んだ魔法瓶

■ 並んだ魔法瓶

■ 並んだ魔法瓶

新しく作り直した階段

■ 新しく作り直した石の階段

■ 新しく作り直した石の階段

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