COVID-19とローマハウス 久しぶりの共同作業
デンマークは8月に国民のコロナ接種率が70%近くになったので、マスク着用義務、美術館など公共施設でのコロナパスポート提示、バーなど深夜営業の時間制限などコロナ規制が全面廃止されました。夏以来感染者は毎日300人から500人ぐらい前後でしたが、10月に入って寒くなってきたので、コロナ接種が低い自治体では小さい子供やコロナ未接種者の若い世代を中心に感染が増えてきました。一日の感染者は1000人を越えていますので、マスクの着用義務が始まるかもしれません。政府は感染者が増えても入院する重症患者や死亡者は少なく、昨年12月にロックダウンした時と状況が違うので、3度目のロックダウンは行わない方針です。特養ホームの居住者に3回目のコロナ接種が終了し、現在65歳以上の人に3回目の接種が継続しています。
ローマハウスでは毎年5月と10月に住民が共同緑地にある木の伐採、伸びた灌木の手入れをする恒例の共同作業があります。昨年12月のロックダウンから今年の春までコロナ規則があったので、共同作業が1年ぶりに10月9日、10日の週末にありました。今回は私が住む通りの12戸の家が、2日間の昼食当番をしました。
3年に一度くらいの割合で回ってくる食事の準備は、前もってメールや会合を通してだれがどんな昼食を分担するのか決めます。過去に当番をした時の記録や反省資料があります。 デンマークの昼食はスモーブロウとよばれるオープンサンドイッチです。主に用意するのは黒パン、ニシンの酢漬けなど魚類、レバーペーストやミニハンバーグのようなフリカデラー、豚肉、チーズ類、飲料水やアルコール類、コーヒーとケーキです。いつも雨天に備えてテントを張ります。今回は金曜日にテントを張るのを手伝う男性が少なかったことや、天気予報で週末雨が降らないとわかったので、テントは取りやめになりました。椅子、テーブルはレンタル会社から借ります。
昼食時間は両日13時から1時間半くらいでした。初日は約60人、日曜日は50人ほどの参加がありました。ローマハウスは60戸あり、100人くらい住んでいます。沢山の人が参加した理由は好天だったことや久しぶりの共同作業だったことです。高齢者は作業に参加しなくても、会話や食事を楽しみに来ます。毎年担当する通りが違うので昼食はバラエティーに富んでいてどれも美味しく、もてなしの心が伝わってきます。食事が盛り付けられている器など、どんなものを日常使用しているのか観察するのも面白いです。別の通りに住んでいるのでほとんど見かけない住民や新しく引っ越して来た若い夫婦とも初めて会いました。最年少は半年前に生まれた赤ちゃんでした。引っ越してくる年齢層が高い中、30代の若い世代は珍しいです(職業はやはり建築家との事です)。予定の人数を45人として用意した昼食はほとんど奇麗になくなりました。おふくろの味がするフリカデラーやレバーペーストはいつも人気があります。私は初日にバナナケーキ、二日目にアーモンドケーキなどを焼きましたが、これもお蔭様でほとんどはけました。前回の担当の時抹茶ケーキを焼いたことを覚えていた人から、今回のケーキは緑色じゃないね、と言われました。食事後余った料理を希望者に分けたり、ゴミの始末、皿洗い、机や椅子を畳んだり食事会の後始末が終わったのは16時ごろでした。
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写真は全て小野寺綾子氏撮影
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