初夏になると、家の周りに植えられているサンザシの白い花の独特な香りがします。
春の共同作業は、珍しく五月晴れで夏日のような日差しの週末に行なわれました。 いつも金曜日あたりから木を伐採するチェーンソーの音が響きますが、今回は静かで、あまり大きな作業がありませんでした。 私は、暖かさで急に延びた庭の雑草取りをして、共同緑地の仕事はしませんでした。
昼食は、当番に当たった約10戸の家が集まって、土日の昼ご飯を用意します。 毎回それぞれ自慢料理が出るので楽しみにしている住民が多いです。 デンマークの昼ご飯の定番として用意されるのは、黒パン、ニシンの酢漬け、レバーポスタイと呼ばれるレバーペースト、ミートボールのようなフリカデラ、ジャガイモをマヨネーズであえたポテトサラダ、各種のチーズ、そしてコーヒーとケーキです。 アクアビットで乾杯します。
雨が降ると、テントの中で雨具を着て、寒さに震えながら食事をすることもあります。 二日間は晴天だったので、青空の下で食事をしました。 食事に参加した人の顔を見ると、住民が入れ替わって知っている人が少なくなった印象です。 入居した人がどの家に住んでいるのか、何という名前なのか知らない人が多いです。 去年は5戸の所有者が変わりました。
実際私が1990年にローマハウスに住み始めてから、近所7戸の内、まだ同じ家族が住んでいるのは、1戸しかありません。 入居者が亡くなったり、離婚したり、諸事情で引っ越していきました。 子供達も5−6人いましたが、独立して誰も親元に住んでいません。 2月に「ファステラウン」と呼ばれる子供が仮装して、つるされた樽を棒でたたくデンマークの伝統行事があります。 以前は仮装した子供がたくさん参加していましたが、今参加する子供は住民の孫がほとんどで、子供もめっきり少なくなりました。
2月に1959年から住んでいた88歳の男性が亡くなりました。 これでローマハウスの初期から住み続けている人がほとんどいなくなってしまいました。 ローマハウスに引っ越してくる人は、若い夫婦より、50代以上と平均年齢が高いです。 子供を持つ家族にとって敷地は緑に溢れて安全ですが、家が高くて狭いという難点があります。 大きい家を売ってこじんまりしたローマハウスに移ってくる傾向が続いているので、住民の平均年齢は高いです。 その亡くなった男性の家を買った人も、70代の女性でした。 老人コレクティブと陰口を言われても仕方ありません。
今年4月9日はウッソン生誕100年でした。 これを記念してオールボーのウッソンセンターで展覧会が始まりました。 11月にコペンハーゲンに新しく完成したデンマーク建築センター(DAC)へ巡回してくる予定です。 ウッソンが設計した建物の写真や署名のある本が展示された小さいウッソンの展覧会が、彼が設計した自宅があるヘルベックの郷土史資料館で開催中です。 8月4日はローマハウスが完成して60年を迎えます。 2008年の50周年記念では息子のヤン・ウッソンやこれまでローマハウスに住んでいた住民を招いて祝賀会を行ないました。 8月4日の案は、ヘルシンガー市民にローマハウスを紹介する見学ツアー、生の音楽と食事のケータリングを頼んで住民の食事会、ペタング大会などの催しが計画されています。
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写真は全て小野寺綾子氏撮影
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